Claude Fable 5-AIに成績表をつけたら、本当のすごさは表に載らなかった

新しいAIモデルが出るたびに、同じ疑問が湧く。「で、何がどれくらいすごいの?」。ベンチマークの数字を見ても、正直ピンとこない。

今、僕の環境ではAnthropicの最新モデル「Claude Fable 5」が期間限定で使える。せっかくなので、思いついたことをやってみた。本人に、自己採点させてみた。

科目別の成績表を作らせてみた

学校の成績表みたいに、AIの能力を「●●力」という科目に分けて、モデルごとに10点満点で採点する。採点者はFable 5本人。もちろん主観込みの自己評価で、公式の数字ではない。今日(2026年7月8日)時点の、一人のユーザーと一体のAIによる見立てだ。

比べたのは、同じClaudeファミリーの4モデル。軽量のHaiku、標準のSonnet、上位のOpus、そして最上位のFable。

fable5-seiseki-table.png

上5つの科目は、予想通りの右肩上がりだった。面白いのは、下の方の科目だ。

表の下の方が教えてくれたこと

検索力は、全員同じ。 検索はAIの脳の性能ではなく、持たせた道具の性能で決まる。Web検索ツールが同じなら、最上位モデルでも軽量モデルでも探せる情報は変わらない。「高いモデルにしたのに検索がイマイチ」と感じたら、それはモデルではなく道具の問題かもしれない。

予測力は、全員低い。 過去のパターンを言葉で説明するのは得意でも、来月の売上や株価を当てるのは統計モデルの仕事で、会話型AIの守備範囲ではない。ここを期待して失望する人は、たぶん多い。

そして、最上位モデルでも満点じゃない科目がある。 翻訳や画像の認識は、一つ下のモデルと体感差がほとんどない。全科目でぶっちぎりなわけではなかった。

じゃあ、Fableの「すごさ」はどこにあるのか。

本当の差は、成績表に載らなかった

答えは、この成績表を作った日の作業ログにあった。

この日、僕はFableと一緒に、自分の創作活動の「管理ボード」を作った。何にいくら使っているかの費用調査から始まって、サーバーの使用量の実測、YouTubeの登録者数を自動取得する仕組み、収支の自動計算、そして「AIが毎週、数字を読んで戦略を更新する」運用ルールの文書化まで。朝の雑談から始まって、夜には全部つながって動いていた。

費用の調査(どこにいくら?)

↓ そのまま

管理ボードの構築(数字が1画面に)

↓ そのまま

YouTube連携(開くたび最新の数字)

↓ そのまま

戦略書と週次レビューの仕組み(数字を読んで次の一手へ)

一つひとつの作業は、正直、下位のモデルでもできる。差が出たのは、最初の雑談から最後の文書まで、全部の文脈を憶えたまま、段取りを自分で組んで完走したことだ。科目でいえば、国語も数学も歴史も、同時に使い続ける力。成績表に「学級委員として一年間クラスを回す力」という科目がないのと同じで、この力は★の表に載らない。

だから、最強モデルには「側」を作らせる

ここで気づいたことがある。期間限定の最強モデルに何をさせるべきか、という話だ。

一回きりの成果物を作らせるのは、たぶんもったいない。成果物はすぐ古びる。代わりにこの日作ったのは、モデルが入れ替わっても回り続ける構造だった。ボードが数字を貯め、手順書が分析の型を決め、戦略書が判断の履歴を残す。この「側」さえあれば、来週別のモデルに交代しても、同じ品質構造でレビューが回る。

賢さは借り物で、いつか返す日が来る。でも、賢いうちに作らせた仕組みは手元に残る。

おわりに

成績表づくり、やってみると自分のAIの見方が整理されるのでおすすめだ。そして最後の科目「表に載らない力」をどう使うかは、まだ僕も試行錯誤中。

あなたなら、期間限定の最強AIに、何を作らせますか。作品か、それとも仕組みか。